わたしには、大切な友が何人かいます。
そのうちの二人とは、すでに30年の付き合いになります。
仮に二人をA子さん、B子さんとしましょうか。
わたしがA子さんと知り合ったのは、彼女のお店のオープンをひょんなことから手伝うことになったのがきっかけです。
彼女の幼馴染のB子さんとも、それで知り合うことになりました。
これまで彼女たちには、どれだけ慰められ、励まされ、支えられてきたかわかりません。
現在東京に住んでいるわたしと、四日市に住む彼女らとは、年に数回会えればいい方です。
メールのやり取りも滅多にしません。
B子さんの家に遊びに行ったことはあるけど、A子さんの家に行ったことはありません。
(お店に行けばいつでも会えたというのもありますが)
それでも、わたしたちは仲の良い友人同士なのです。
何が言いたいかというと、相手のことをどれだけ知っているかということと、信頼できる友であるかどうかということは、必ずしも一致しないということです。
たとえば、興信所にでも依頼して根掘り葉掘り調べ上げたら、その人とは友だちですか?
違うでしょう。
確かに付き合っていくうちに、互いにいろいろ知り合い、より一層仲が深まることもあるでしょう。
けれど、大切なのは量ではなくて質です。
「 質」 というのは 「 秘密 」という意味合いではありません。
相手に対する姿勢といったことでしょうか。
彼女らに悩みを打ち明けたり、相談に乗ってもらったことは、もちろん何度もあります。
けれど、彼女らは、決してズカズカとわたしの心の中にまで入ってこようとはしません。
それでも、親身に寄り添ってくれます。
だから、わたしは、彼女らを信頼しています。
わたしも、また彼女らにとって、そういう存在でありたいと思っています。
互いのことを深く知っても知らなくても、その姿勢に信頼感を持てるかどうか。
信頼できる人が、わたしにとっての大切な友です。