フェイスブックでつながっている方から、こんな質問をいただきました。
抜粋で紹介させていただきます。
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謙遜って、 いつ頃日本に入ってきたのでしょうか?
戦国時代に謙遜してたら抜擢されないですよね?
ブッダは唯我独尊って言ってますよね?
自分を大切にしてますよね。
いつから、 ややこしくなったのでしょう??
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といった内容でした。
すでに返信済みですが、せっかくなので、もう少し詳しくしたものを、ここに紹介させていただきます。
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まず前提として『言葉は環境から生れたてきた』ものえあるということがあります。
『伝える』という点のみに着目すると、言葉は単なる道具ですが、『環境から生まれる』という点に着目すると、言葉もまた、その国が誇る素晴らしい文化であることがわかります。
『謙遜』は、かつての中国で生まれた言葉(考え)です。
ちなみに、漢字(中国語)はだいたい5C頃から日本に伝わってきたと言われます。
それぞれの漢字の意味は、
謙・・・『へりくだる、でしゃばらない』
遜・・・『へりくだる、少し劣る、譲る』
となっています。
『謙遜』という言葉の意味も、『自分を低いものとして、相手に対して控えめな態度をとる』とあります。
よく似た言葉に『謙譲』がありますが、こちらは『自分の能力や功績を人前で誇ったりせず、相手を立てることを第一とする』とあります。
『謙遜』には、まず自分を低いものとするという発想がありますが、『謙譲』には自分に能力や功績があることが前提になっていることがわかります。
『謙譲の精神』という表現があるように、本来の日本人には『謙遜』より『謙譲』の方が、その心に叶っているように思います。
ちなみに『謙遜』を言靈でエネルギー翻訳すると、『大いに寄り添う気持ちを表に出す』といった意味になります。
そのエネルギーをどんどん強調していった結果、ただひたすらに自分を低くするという、現在の『謙遜』になっていったのかも・・・
さて、『唯我独尊』ですが、これは釈迦が唱えた『天上天下唯我独尊』の略。
つまり、こちらはインドで生まれた言葉です。
言葉の意味は、
天と地の間にあって、我より尊い存在はない。
という、自尊心を称えた言葉です。
かつての中国で生まれた言葉と、インドで生まれた言葉。
環境が違えば、そこで暮らす人々の思想も異なり、生まれる言葉も変わります。
面白いものです。