子どもの頃から国語辞典を引いたり、教科書の音読が趣味だったとは、何度も書いてきています。
それと同時に、読書感想文や作文を書くのが好きで得意でもありました。
でも、大人になるにつれ、そうしたことからはどんどん遠ざかっていき、いつしか忘れてしまっていました。
26歳で結婚をしたものの、悶々とした日々を送っていたある日。
当時愛読していた『LEE』という月刊誌に、こんな記事を見つけました。
創刊5周年記念
読者レポーター募集!!
読者レポーターとして北海道の富良野へ行って、報告記事を書くというものでした。
富良野の美しく雄大な景色が脳裏に浮かび、
行きたい
と、切に思いました。
心晴れないことの多い日々の中で、ポッと灯りが灯ったようでした。
早速応募要領に沿って履歴書と原稿用紙2枚分の作文を書いて応募しました。
全国から何千もの応募があったそうですが、運のいいことに50名のレポーターの一人として、決定の通知を受け取ることができました。
恐る恐る夫に許可を求めると、意外にもすんなりOKが出ました。
心が伸び伸びと広がっていくようでした。
当時、世の中はバブル真っ盛り。
富良野の旅も豪華なものでした。
ラベンダー畑の真ん中で、当時人気絶頂だったフラーワーアーティスト高橋永順さんの<花あしらい講座>。
そして、富良野塾で倉本聰さんのお話を聞き、塾生とバーベキューパーティー。
宿泊はトマムリゾート。
旅を終えて家に帰ってみれば、ラベンダーの苗のお土産までが届いていました。
それ以来、ラベンダーはわたしの大好きな花となっています。
もちろん、今の家の庭にもラベンダーが何本か植わっています。
さて、レポーターとして参加したわけですから、当然レポートを書いて提出。
それがまた、写真とともに雑誌に掲載されました。
どんなに嬉しかったことか・・・
50名の仲間と共に、富良野の景色を楽しみ、講座やイベントを楽しみ、そのうえレポートが雑誌に載ったのです。
この上もない喜びと共にわたしの心に浮かび上がってきたのは、
書きたい
という思いでした。
この読者レポーターという経験を通して、わたしは文章を書くことが好きだったことを思い出したのでした。
言葉と関わることの喜びを思い出したのでした。
思い出してしまったら、もう止まりません。
書きたくて、書きたくて
でも、どこでどう書けばいいのかわかりませんでした。
今のようにブログなどない時代です。
それで、書く場所を探し始めました。
そうして出会ったのが、四日市の文芸セミナーです。
東京で活躍されていたS氏が、郷里の鈴鹿に戻り、文芸のすそ野を広げるためにやっていらしたセミナーで氏の人柄を慕って多くの方々が月に一度集っていました。
わたしも、見学がてら参加した最初の1回で、ユーモアに富みながらも的確な批評をされるS氏に、すっかり魅了されてしまいました。
この人の下でなら書いていける
そう思いました。
初めて参加したその時、S氏はわたしに尋ねました。
どんな文章が書きたいの
わたしは答えました。
上品な文章を書きたいです
S氏は驚いたように、こう言いました。
今時、上品な文章を書きたいなんて人は珍しい
面白いねぇ
わたしの『 書く 』人生が始まりました。
投稿日時: 2016年11月14日
カテゴリ: ブログ