芝居でも映画でも、人の話すことでも
いいな
と感じた言葉やフレーズは、すっと覚えられます。
ところが……
不思議なことがありました。
知り合いで大病をされた方がいらっしゃいます。
その方を、仮にA子さんとしましょう。
A子さんは、大病を克服された直後から、
ある言葉をよく使うようになりました。
ああ、いいこと言うなぁ~
やっぱり大病すると、言うことも変わるなぁ
と、聞くたびに思っていたのですが……
ですが、その言葉がどうしても覚えられない。
確か、
〇〇に感謝
△△に感謝
◇◇に感謝
と言っていたのですが、肝心の
〇〇
や
△△
や
◇◇
が、思い出せない。
思い出せないということは、わたしの心に入ってきていないということでもあります。
そのことが、ずっと不思議でした。
でも、ある時、ふと氣がつきました。
心
です。
A子さんは大病され、再発したくないと思ったはずです。
そのために、誰かから教えてもらったその言葉を
何かにつけて口にするようになったのでしょう。
けれど、彼女が本気で信じない限り、その言葉は威力を発揮しない。
もちろん、言葉には、その一音一音に『言靈』という固有のエネルギーがあります。
けれど、エネルギーにも、やる気スイッチのようなものが、やはりあると思うのです。
スイッチが入らないまま放たれた言霊は、虚ろに空間をさまよって、
やがて、はかなく消えていくのではないでしょうか。
それでは、そのスイッチとは、なんでしょう。
それは、
心
本気で願っているか、信じているか。
心を込めて発せられた言葉は、エネルギースイッチがONになり、ちゃんと相手の心にまで届く。
的を狙って放たれた矢が、見事的を撃ち抜くかのごとくです。
そうではないでしょうか。
しばらくお休みしていた、ことだま講座。
10月から、装いも新たに再開の予定です。