ことば学
言葉は心。ことばは人生

ロクヨンを観て

映画『ロクヨン』の後編を観てきました。

 

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やはり、原作がしっかりしている上に、出演している役者の皆さんが豪華で、素晴らしく見応えのある映画でした。

 

特に、緒形直人さんの演技が、わたしには印象深かったです。

被害者の顔の中に、一瞬覗く悪人面が、なんとも凄みがあって、思わず息をのんでしまいました。

 

さて、『ロクヨン』の原作者は、横山秀夫さん。

もと、新聞記者です。

多分、いわゆるサツ回りをしていらっしゃったのてはないでしょうか?

 

経験や経歴を生かしての作家活動といえば、東野圭吾さんも、そうですね。

彼は、確か工学部出身です。

その知識と経験がガリレオシリーズに遺憾なく発揮されています。

 

『死体は語る』などの作品で有名な上野正彦さんは、もと監察医です。

 

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今回ご紹介するのは、前回と同じく四日市文芸賞を受賞したときに書いた「受賞の言葉に代えて」という文章の中の一つ。

 

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≪ 輝く瞬間(とき)≫

 

私は医者でもなければ、弁護士でもない。

そのうえ地理や歴史にも疎い。

そんな私には、読み手の知識欲を満足させるような専門的な小説は書けない。

しかし、私は思う。

ささやかな暮らしのなかに生きる人々にも、その心がきらりと輝く瞬間があると。

とても悲しい時、嬉しい時、苦しい時、そして幸せな時、その人の心は美しい光を放って輝く。

そのほんの一瞬を捉えることができたら、心が「輝く瞬間」を描くことができたら、私は「幸せ」である。

 

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『輝く瞬間』は、四日市文芸賞を受賞した作品の題名です。

 

この文章を書いたとき、わたしは心の専門家になりたいと考えていました。

 

そのわたしが時を経て今、リーディングやことだま講座をしています。

人生というのは、本当に面白いものですね。

 

 

投稿日時: 2016年06月13日

カテゴリ: ブログ