わたしがブログでお金について書いたことは、ほとんどありません。
お金は一生回り続けてくれれば、それなりに生活できたということだから、それでいいかな
と考えているからです。
お金の流れが大きいときは大きく使い、小さな流れになれば小さく暮らせばいい。
とも思っています。
ほんの小さな流れの中で暮らしたこともあるし、その頃の自分のことも結構好きだから。
ですが、ふとある人のことを思い出したので、ちょっと書いてみたいと思います。
その人は、今から15年くらい前に仕事の関係で知り合った男性です。
彼は吉祥寺大好き人間で、住まいももちろん吉祥寺でした。
一度、みんなで遊びに行こうということになり、訪れたことがあります。
そのマンションは、一応?吉祥寺駅から徒歩圏内にある2DK。
2DKと言っても、正直かなり狭かったです。
それぞれの部屋の広さは、たぶん4.5畳と6畳。
たぶんというのは、とにかく所狭しとダイニングテーブル、ソファ、ベッド、テレビなどが置かれていて、
いまいちよくわからなかったからです。
はっきり言えば、わたし好みの住まい方ではありません。
そして、幹線道路沿いに建っているため、窓を開けると騒音と排気ガスがひどいとのことで、
1日24時間、1年365日、窓は閉めっぱなし。
エアコンフル稼働。
これも、私的にはかなりつらい状況です。
わたしが住まいを探すときの譲れない条件のうちの一つが、窓を開けた時に風がスーッと通ることだからです。
いやいや、マンションについて書きたいのではありません。
今日は、お金についてです。
さて、彼はそのマンションを20年ほど前に1500万円くらいで買ったそうです。
そして、彼は、そのマンションを買った時の値段で売ることを、本気で考えていました。
と思いました。
わたしには、彼の発想が理解できなかったからです。
もちろん、マンションを転売して儲けている人も、この世の中にはいるでしょう。
それがいいとか悪いとか、そんなことを言いたいのではありません。
お金についての考え方は、人それぞれ。
それでいいと思います。
なので、これはあくまでわたしの考え方に照らし合わせた、個人的な見解です。
さて・・・
もし、彼のマンションの近くで同程度のマンションを借りたとしたら、家賃はいくらくらいでしょう?
知りません。
わかりません。
なので適当に10万円としましょう。
その方が計算が簡単だからです。
さて、1カ月10万円だから1年で120万円。
20年住んだら2,400万円です。
(更新料は計算外です)
あ~、やっぱり賃貸より、分譲だね。
いえいえ、そんなことを言いたいのではありません。
つまり、わたしは、
彼は十分に元は取った
と考えます。
なのに、なんで、まだ買った時の値段で売ることを考えるのだろう?
先ほども書きましたように、これには、色々意見はあるでしょう。
でも・・・
彼は、そのマンションに住み続けた20年を、どう捉えているのでしょうか。
わたしには、彼が、そこに暮らした20年分の自分を認めていないように感じられたのです。
それが、なんだか妙に心に引っかかったのでした。
確かに長年住んだマンションが、思わぬ高値で売れれば嬉しいですよね。
でも、それ以前に、そこに住んだことで受けた恩恵に、まず目を向けないと。
どんなに辛いことがあったとしても、そこに暮らした自分を認めないと。
わたしは、そう思います。
私が今でも彼のことを氣にかけるのは、たぶん、彼が家庭的に恵まれなかったとか、
大病を患い、それが元で離婚をしたりと、色々と大変な人生を歩んできた人だと、
後日、人づてに聞いたからかもしれません。
あの狭くて、窓も開けられないマンションでも、彼には多くの思いの詰まった場所だったのでしょう。
そんな彼のことを、ふと思い出しました。
彼は、今でもあのマンションに住み続けているのだろうか。
それとも、別のところに移って、新しい人生の扉を開けただろうか。
彼がその後、どんな人生を歩んだのか。
今は知る由もありません。
固くなった心を解きほぐす、
9月スタートです。
詳細は近日中に、公開します。