ことば学
言葉は心。ことばは人生

「終わりよければすべて」のタイ旅行 ⑥

初めて見るタイの街並みは、思っていた以上に近代的で驚きました。

そして、その車の量にもまた驚かされました。

 

というわけで、道路は大変な渋滞。

いつも、そうなんだそうです。

 

経済発展に伴う車の増加に、道路の整備が追いついていないんですね。

 

 

 

 

さて、渋滞・渋滞の道のりを終えて、ようやくホテルに着きました。

 

見た感じ、なかなかイケてるホテルです。

 

 


 

 

もぉ~

Aさんたら~

わたしたちが一緒だからって、がんばっちゃってぇ~

 

 

なんて、A氏を茶化しながら、いそいそとホテルに入るわたしたちでした。

 

 

フロントでA氏、S子さんと順番にチェックインを済ませていきます。

 

 

 

 

昨年の7月には、S子さんから教えてもらったサイトを通して、航空チケットとホテルの予約を済ませていたわたしです。

 

プリントアウトしてあった予約票をカウンターに出します。

 

 

 

ん?

 

 

 

フロントマンが、怪訝な顔つき。

 

それを見ていたわたしも

 

 

 

ん?

 

 

 

と怪訝な顔つきになります。

 

 

一体、なにごと?

 

 

フロントマンが、おもむろに言いました。

 

 

これは、うちのホテルの予約票ではない。

 

 

 

はい?

今、なんておっしゃいました?

わたし、英語そんなに達者じゃないんです…

 

 

 

横で聞いていたA氏が言いました。

 

 

 

ゆみちゃんの予約票、ここのじゃないってよ

 

 

 

え~

そんな~

バカな~

まさかでしょ~

 

 

どうも、このホテルはチェーンホテルで、バンコク市内に3つもあるそう。

わたしが予約したのは、このチェーンの別の場所にあるホテルだそうです。

 

 

こちらのホテル、日本人御用達のようで、

わたしたちのすぐそばには、別の日本人のグループがいて、

このやりとりの一部始終を聞かれていました。

 

 

 

恥ずかしい!

恥ずかしい!!

恥ずかしすぎる~!!!

 

 

 

こんなとき、

 

え~!

 

と言って気絶できたら、どんなにいいでしょう。

 

 

どうしよう

 

 

と泣き崩れることができたら、どんなにかいいでしょう。

 

 

そうして気絶や泣いている間に、

みんながなんとかしてくれれたなら…

 

 

気が付いたら、すべてが解決していた

 

な~んてことだったら…

 

 

 

だが

しかし

But

 

 

 

ごとうゆみこ、58歳。

逃げるわけには参りません。

 

にしても・・・です ?

 

 

 

なんだ、ホテルの名前、ちゃんと確認して予約しなかったのか

 

 

もはやA氏も、大人の対応を忘れたようです。

 

 

 

なんでぇ? ホテルの名前ちゃんと教えたよね

 

S子さんも、驚きを通り越して呆れまくっています。

 

 

 

いや

その

え~っと

○○ホテルのBangkokってのはちゃんと確認した

と、思う…

 

 

 

はぁ?

ホテルの名前の最初と最後しか確認しない人間なんて、初めてだ!

 

 

A氏の言葉に、うなだれるしかないわたし。

こんなふうにうなだれるのは、これで何度目だろう?

 

 

 

まさかバンコクに、このホテルのチェーンが3つもあるなんて知らなかったもんね

Aさんも教えといてくれればよかったのに

 

 

 

S子さん、わたしの憔悴ぶりに哀れを感じたのか、

慰める方針に変えたみたい。

 

 

と安心したとおもいきや

 

 

 

どうする?

一人で予約したホテルに泊まる?

ここから近いみたいだし。

 

フロントに置いてあるホテルのパンフレットを見ながら、

平然と言うS子さん。

 

 

 

お願い

わたしを見捨てないで!

初めてのタイで一人でホテルになんて泊まれない。

だいたい、ゴルフに行くのだっていちいち大変じゃ~ん!

 

 

 

ここで、わたしは腹をくくりました。

 

 

 

もし、このホテルに空いている部屋があるなら、

先に振り込んだ宿泊代が無駄になってもここに泊まるぞ。

 

 

 

A氏が話をしてくれた結果、

 

部屋は空いていること、

泊代はこちらの分に振り替えできること

ただし追加料金は発生することなどが判明。

追加料金は、日本円で4500円ほど。

 

 

払います!

払います!!

払いますとも!!!

 

 

 

フロントのカウンターを飛び越えんばかりの勢いで叫んだわたし。

 

 

はぁ~

生き返った~

 

 

しみじみ空気が体の隅々まで行き渡るのを感じました。

 

 

 

生きているって素晴らしい!!!

 

 

 

 

 

良かった

良かった

 

 

の言葉と共に、A氏さん、S子さん、それぞれに部屋へと去っていきました。

 

しんと静まり返ったフロントに一人残されたわたし。

 

フロントマンが小さな声で囁きました。

 

 

 

あなたの部屋はグレードアップされてますよ

 

 

なるほど

 

そうか

 

つまり、

私の部屋は超得早割用の部屋ではないということね。

 

 

通された部屋は、きれいな上にウォシュレット付き。

 


 

 

瓢箪から駒

 

いや、

 

禍を転じて福と為す

 

か。

 

 

かくして無事チェックインも済ませ、タイの初めての夜は更けていくのでした。

 

この夜、爆睡したことは言うまでもありません。

 

(つづく)

 

 

 

投稿日時: 2017年02月22日

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