初めて見るタイの街並みは、思っていた以上に近代的で驚きました。
そして、その車の量にもまた驚かされました。
というわけで、道路は大変な渋滞。
いつも、そうなんだそうです。
経済発展に伴う車の増加に、道路の整備が追いついていないんですね。
さて、渋滞・渋滞の道のりを終えて、ようやくホテルに着きました。
見た感じ、なかなかイケてるホテルです。
もぉ~
Aさんたら~
わたしたちが一緒だからって、がんばっちゃってぇ~
なんて、A氏を茶化しながら、いそいそとホテルに入るわたしたちでした。
フロントでA氏、S子さんと順番にチェックインを済ませていきます。
昨年の7月には、S子さんから教えてもらったサイトを通して、航空チケットとホテルの予約を済ませていたわたしです。
プリントアウトしてあった予約票をカウンターに出します。
フロントマンが、怪訝な顔つき。
それを見ていたわたしも
と怪訝な顔つきになります。
一体、なにごと?
フロントマンが、おもむろに言いました。
これは、うちのホテルの予約票ではない。
今、なんておっしゃいました?
わたし、英語そんなに達者じゃないんです…
横で聞いていたA氏が言いました。
ゆみちゃんの予約票、ここのじゃないってよ
どうも、このホテルはチェーンホテルで、バンコク市内に3つもあるそう。
わたしが予約したのは、このチェーンの別の場所にあるホテルだそうです。
こちらのホテル、日本人御用達のようで、
わたしたちのすぐそばには、別の日本人のグループがいて、
このやりとりの一部始終を聞かれていました。
こんなとき、
と言って気絶できたら、どんなにいいでしょう。
と泣き崩れることができたら、どんなにかいいでしょう。
そうして気絶や泣いている間に、
みんながなんとかしてくれれたなら…
気が付いたら、すべてが解決していた
な~んてことだったら…
ごとうゆみこ、58歳。
逃げるわけには参りません。
にしても・・・です ?
なんだ、ホテルの名前、ちゃんと確認して予約しなかったのか
もはやA氏も、大人の対応を忘れたようです。
なんでぇ? ホテルの名前ちゃんと教えたよね
S子さんも、驚きを通り越して呆れまくっています。
いや
その
え~っと
○○ホテルのBangkokってのはちゃんと確認した
と、思う…
はぁ?
ホテルの名前の最初と最後しか確認しない人間なんて、初めてだ!
A氏の言葉に、うなだれるしかないわたし。
こんなふうにうなだれるのは、これで何度目だろう?
まさかバンコクに、このホテルのチェーンが3つもあるなんて知らなかったもんね
Aさんも教えといてくれればよかったのに
S子さん、わたしの憔悴ぶりに哀れを感じたのか、
慰める方針に変えたみたい。
と安心したとおもいきや
どうする?
一人で予約したホテルに泊まる?
ここから近いみたいだし。
フロントに置いてあるホテルのパンフレットを見ながら、
平然と言うS子さん。
初めてのタイで一人でホテルになんて泊まれない。
だいたい、ゴルフに行くのだっていちいち大変じゃ~ん!
ここで、わたしは腹をくくりました。
もし、このホテルに空いている部屋があるなら、
先に振り込んだ宿泊代が無駄になってもここに泊まるぞ。
A氏が話をしてくれた結果、
部屋は空いていること、
泊代はこちらの分に振り替えできること
ただし追加料金は発生することなどが判明。
追加料金は、日本円で4500円ほど。
フロントのカウンターを飛び越えんばかりの勢いで叫んだわたし。
はぁ~
生き返った~
しみじみ空気が体の隅々まで行き渡るのを感じました。
良かった
良かった
の言葉と共に、A氏さん、S子さん、それぞれに部屋へと去っていきました。
しんと静まり返ったフロントに一人残されたわたし。
フロントマンが小さな声で囁きました。
あなたの部屋はグレードアップされてますよ
なるほど
そうか
つまり、
私の部屋は超得早割用の部屋ではないということね。
通された部屋は、きれいな上にウォシュレット付き。
瓢箪から駒
いや、
禍を転じて福と為す
か。
かくして無事チェックインも済ませ、タイの初めての夜は更けていくのでした。
この夜、爆睡したことは言うまでもありません。
(つづく)