古い文芸仲間から、恩師の訃報を受け取った。
しみじみとした悲しみが、わたしの中いっぱいに満ちている。
たとえ、お会いする機会がなくても、師の存在そのものが、わたしの『書く』ことにおける支えだったから…
と同時に思うのは、
人の死について、しんみりと考えたり、思いにふけったりできるということは、ある意味とても幸せなことなんじゃないかということ。
あるいは、それだけ大人になったということか。
父が亡くなった時には、悲しみを感じる余裕がなかった。
というより……父の死を受け入れる勇気がなかったんだね、きっと。