24.イジメから抜け出す 後日談

後になって知ったことです。

 

わたしが名古屋支店に異動になるきっかけとなった、体調をくずした前任者も、やはりAさんのイジメに遭っていたそうです。

 

そして、寿退職したAさんは、子どもを生んだあと、再びパートとして名古屋支店に戻り、ターゲットを見つけてはイジメをしていたそうです。

前回の終わりに、イジメはイジメる側の問題といったのは、そういった理由からです。

 

もし、イジメられる側に問題があるのなら、わたしと離れた時点で、Aさんによるイジメはなくなっていたはずです。

 

けれど、実際にはその前も後も、Aさんによるイジメはあったのです。

だから、もし、わたしの方に何か誤解を招くような言動があったとしても、注意をするとか、事実確認をするといった方法を取らなかったのです。

だって、それでもし誤解が解けてしまったら、イジメる理由がなくなってしまいますから。

イジメる人はイジメる理由やターゲットを探しているのです。

真実なんて関係ないのです。

イジメることができれば、それでいいのです。

 038fed5102f67c3686bca2389160ac4c_s

けれど、イジメられている人間は、なかなか周りにSOSが出せません。

なぜなら、自分と相手との個人的な問題だと思っているからです。

 

そんなプライベートなことで、上司や親などに相談なんてできない。

 

と思い込んでしまうからです。

でも、違います。

イジメは、イジメを行う人間の心の病です。イジメられる人は、運悪くその罠にはまってしまっただけのことです。

周りで見て見ぬふりをしている人たちは、自分たちに災難が降りかかるのを避けるために、一人の無抵抗な人間を生贄として差し出しているようなものです。

 

わたしがイジメに遭ったのは、名古屋支店だけで300人くらいいた中の、わずか10人足らずの小さな課です。

そんな小さな中で、もう人生終わりかも・・・と悩んでいたのです。

見渡せば、大勢の人たちがいたというのに。

 

今現在、イジメに遭って苦しんでいる人はいますか?

そのクラスは何人学級ですか?

その職場には、何人の職員がいますか?

 

日本だけでも、その人口は1億2000万人くらいです。

世界は、もっと広いです。

今、自分のいる世界が全てではありません。

顔を上げて周りを見回してください。

あなたの力になってくれる人は必ずいます。

あなたが伸び伸びと息のできる場所は必ずあります。

 

 

Aさんに仕返しをしたいと思ったこと?

ありますよ。

実は、わたしが仕事を徐々に覚えていく中で、職場内の人間関係も少しずつ出来ていきました。

そして、Aさんの方がやや孤立気味になっていきました。

そんな時、仕返しをしてやりたという気持ちが一瞬ですが芽生えたことがあります。

 

こんなことをされたら、あなたはどんな気持ちですか? と

 

でも、しませんでした。

だって、あんなイジメをする人を、わたしは軽蔑していましたから。

もし、わたしが仕返しをしたら、それは自分で自分を貶めることになるから。

生意気な言い方をすれば、それはわたしの人間としてのプライドが許さなかったからです。

わたしは、できれば常に胸を張って堂々と生きていたいから。

 cbdeddfa5d5c0f3ecca341ea9ef9b45d_s

 

  ◎◎◎ ⏪ 前    続き ⏩⚫⚫⚫

 

 

 

23.イジメから抜け出す その2

わたしの顔だけが切り落とされた写真を見たときの衝撃は、なんとも言えないものでした。

 

もう、この人とは絶対にわかりあえない…

 

やりきれない思いと虚しさで、胸がつぶれそうでした。

b930922c08535e97cba899ac9c7fe6be_s

 

そんな頃には、課のなかでもわたしへのイジメが問題になっていたようです。

ある日、課長に別室に呼ばれて、こう言われました。

 

これから仕事で分からないことがあったら、Aさんが席を立った時に、他の先輩に聞くように。

 

とりあえず、これで仕事はきちんと教えてもらえるようになると安心した反面、「そうなの?」という疑問も湧いてきました。

課でも問題になるようなイジメに対して、大の大人が出した結論が、イジメの張本人のいない隙を縫うことなのか。

 

しかし、そこでわたしは考え方をきっぱりと切り替えました。

 

Aさんにどんな対応をされようとも、仕事を覚えることを最優先にする。

どんなに無視されても、必ず挨拶・返事は、きちんとする。

 

 

なんといっても、会社においては仕事ができるかどうかが、最重要課題。

 

まずは、それが最優先です。

 

 

Aさんの顔色を伺いながら日々怯えるという、人に振り回される会社生活とは、ここでおさらば。

 

ミスして注意されたら、明るく元気良く

 

申し訳ありません❗

 

と言って、無理にでも気分を切り替えました。

 

謝ればいいってもんじゃないわよ

 

と言われても聞こえない振りをしました。

 

そんなことに惑わされている暇はありません。

 

とにかく仕事を覚える。

それが、わたしの目標でした。

 

注意されたことを引きずって、またミスをする。という悪循環からは抜け出さなければ、何も変わらない。

必死でした。

その甲斐あって、徐々に仕事は覚えていき、それに従って他の先輩たちの態度も変わっていきました。

 

それから間もなく、隣の課で急に1人辞めた後釜にと異動になり、Aさんも寿退職され、わたしにはごく普通の忙しいけれども楽しさもある会社生活がようやく訪れたのでした。

3b3ac1c942b9ee2ba72b607f4d37f8a0_s

* * * * *

 

わたしは、イジメについては、こう考えます。

 

イジメは、イジメられる側ではなく、イジメる側の問題です。

よしんば、イジメられる側に何か問題があったとしても、あるいは誤解があったとして、そのことに対して

 

☑注意をする

☑事実確認をする

 

などの対応方法もある中で、

 

イジメる

 

という方法をとったのは、イジメる側の選択の結果です。

 

イジメるという選択しかできない人間に振り回される理由なんて、どこにもありません。

 

イジメられると、そこしか見えなくなります。

 

自分が悪いのか?

 

って。

つまり、思考が内向きになります。

 

いいんです。そう思ったって。

誰だって、まずはそう考えます。

 

でも、次の段階はあるのです。

 

外に目を向けること。

逃げ出すのもひとつの手です。

解決方法は、あります。

いくつも、あります。

だから、きっと大丈夫。

とにかく自分を大切に。

 

◎◎◎ ⏪ 前    続き ⏩ ●●●

 

22.イジメから抜け出す

自分の氣に入らない人間を積極的にいじめることのできる人間が、この世の中には存在する。

 

ということを、自分がイジメに遭って初めて知りました。

 

わたしだって、それまでの20年足らずの人生で、

 

なんか合わないな

 

とか、

 

どうも好きになれないな

 

と感じる人くらいいました。

でも、だからといっていじめるという行為に至ったことはありません。

だって、そういう人とは距離を置くなり、関わらないようにすればいいだけです。

なんで、わざわざ『いじめる』必要があるでしょう。

 

630db5b05afb35bf85da6688d6f5cefb_s

 

 

自分が深刻なイジメに遭っていると認識し、孤立感に苛まれてたころ。

ふと、こんなことを思いついて実行しました。

 

まず、

 

課の中で孤立するなら、課以外に友達をつくる。

 

名古屋支店に異動になった直後からイジメに遭っていたわたしには、名古屋支店内に知り合いは一人もいませんでした。

その孤独感を癒すためには、課以外の世界に出ていくしかありません。

その頃の名古屋支店ではサークル活動が盛んでしたので、そのうちの一つに入りました。

そして、そのサークルのメンバーに誘われて、組合の連絡員にもなりました。

社内組合が各課に一人連絡員を置くことになっていたのですが、仕事が忙しいのに、わざわざそんな役割まで引き受ける人はいませんでした。

こうして、わたしは自分のいる課以外に、友人を作っていきました。

他の課に書類を取りに行ったりしたときに、その友人のところにちょっと寄ってひと言ふた言言葉を交わすだけでも、わたしの心はホッと一息つくことができました。

また、四日市支店の仲間が、わたしがイジメられていることを知って、月に一回くらい飲みに誘ってくれたのも嬉しいことでした。

飲み会のある日は、名古屋支店での仕事を終えると、わざわざ四日市まで飲みに行きました。

愚痴をこぼすためではありません。

とりとめのない話をすることで、イジメを忘れるためです。

469217a09e70bb0f471b48836e7ac330_s

そうやって、なんとか日を過ごしていましたが、イジメが根本的に解決したわけではありません。

 

毎朝、胃が痛くなる思いを抱えながら、地下鉄で会社に向かう日々でした。

どんなに辛くても苦しくても、家に生活費を入れるという母との約束があります。

次の仕事が見つからない限り、今の会社を辞めることはできない。

わたしの心は、悲壮感でいっぱいでした。

 

 

 ◎◎◎ ⏪ 前   続く ●●●