新たなご感想をいただきました

 
新たにKクンから、ご感想をいただきましたので、
紹介させていただきます。
 
 
「お由布」の感想


さすが言霊の先生と言った感じの綺麗な言葉で綴られた作品でした。

とても読みやすく、毎回スッと物語の世界に入って行けました。

最後は自分で自分を見つけたお由布。

ホッとしたラストでした。

これからは幸吉と仲睦まじい夫婦として寄り添い生きて行って欲しいと思います。

でも、もう少し二人の馴れ初めを知りたかった気もします。

恋も知らずに誠之助に嫁いだお由布が、幸吉に想いを感じる場面や

エピソードがもう少しあれば今一歩感情移入が出来た様な気がします。

誠之助と言えば、ラストに一人旅立つシーンが印象に残りました。

己の人生に真っ直ぐに忠実に生きた故に、

愛情表現が果てしなく偏ってしまった男。

一人旅立つその胸中はいかがなものだったのだろうか…。

哀しみ?

怒り?

空虚?

疑問?

それとも新天地への期待?

妻との別れはこの男に何を残したのか?

秘かにこれは「その後の物語」として

是非スピンオフ作品を期待したいほどです。

いつかのネタの1つに加えていただきたいです。

また次回作も楽しみにしています。
 
 
Kクンからは最終回にも、
こんな感想をおくっていただきました。
 
やっと赤い玉櫛を貰えたのですね!

お由布が幸せになれたのは、やっと自分の足で立ったから…なんですね!

でも、清之助は愛する表現が不器用過ぎて少し不憫に思ってしまいました

毎回、楽しみでした。

また次回作も楽しみにしています!
 
 
感想をお送りくださったのは、お二人とも男性の方なので、
やはり清之助への思いが強くなるのでしょうか。
 
 
次回からは、いただいた感想について、いくつかの部分に分けて
書いていきたいと思います。
 
 
 

 

 

 
 
 
 

ご感想について ④

今日は一気にいこうと思います。

 

 貸本屋を介して知り合う幸吉については、次第に縮まる距離感が自然でいいと思いましたが、
幸吉が飲み屋の帰りでお由布を抱きしめたところが、少し違和感。

初めて一緒に飲食をした晩の行動としては早すぎる。

それに輪をかけて、あっさりお由布の心が幸吉に傾いて行くのも軽すぎる。

そして清之助と別れ、幸吉の住む長屋で夕餉を作って待つ。

この畳みかけがあまりにも早くて、やや尻切れトンボの感がありました。
あえて修羅場を描かないという手法があるのも判りますが・・・

ちょっと惜しいな、という印象です。


前半の描写で清之助の事を、子供の頃から奉公で苦労し女性、
妻に対して固定観念はあるものの、情がないわけではないと表現しています。
別れの場面でも、それを活かす事は出来たと思います。
幸吉の存在を知り、怒って修羅場も起きるが、
自分の力ではお由布の心を溶かす事が出来ないという事を納得して
離縁に応じるという流れもある様に思う。
それか、幸吉の存在で修羅場が起きる事で、清之助の本心が吐露され、
それでようやくお由布の心が開くという展開もあり得る。

あの流れで、お由布が何事もなく清之助と別れて幸吉と結ばれる、
というのが何か「ハーレクインロマンス」的で、深く心に残らないというのが「惜しい」。

 

 

この感想をいただいた後で、また別の方から新たに感想を送っていただきました。

この元となる作品は、同人誌にも掲載し、合評会でも取り上げられましたし、

その後、郵便で感想を送ってくださった方もいらっしゃいました。

 

そんな皆さんの感想を読んでいると、

人それぞれの読み方

人それぞれの感じ方

があり、それが勉強にもなるし、面白いところです。

 

作品を発表したからこそ味わえる醍醐味とでも申しましょうか。

 

幸吉が、蕎麦屋の帰りにお由布を抱きしめたこととか、

お由布の気持ちの動きについての理由というと大げさですが、

そこに込めた思いを、作者であるわたしがうまく伝えきれなかったのは、

幸吉やお由布に申し訳ないなという思いです。

 

それから、お由布と清之助の別れについて、もっときちんと書くべきか否かは、

この時のわたしは、こういう終わり方しか考えなかった。

としか言えません。

 

ただ読み手に意図が伝わらず、尻切れトンボのような印象を抱かせてしまったことは、

わたしの力不足かと思います。

 

反省です。

 

 

いずれにしても、こんな丁寧な感想を送ってくださったYさまには、

心から感謝申し上げます。

本当にありがとうございました。

 

次回は、新たに送られてきましたご感想について書かせていただく予定です。

 

 

 

 

ご感想について ③

 

お由布が包丁で自害しようとしたところが、この小説のクライマックスですが、

その後の清之助の素っ気ない態度で、まるでなかった事の様に過ぎて行く。

読者としては少し物足りないところですが、それが筆者としての狙いだったかも知れません。

 

もし、クライマックスのシーンで、清之助が、

 

 

お由布、なぜこんなことをしたんだ!

 

 

と、問うことができたなら、この小説の展開も、また違ったものになったのだろうと思います。

 

 

という書き方をすると、

 

 

自分で書いているのに、他人事のような言い方だな

 

 

と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

 

この感覚については、少し説明が難しいのですが……

 

確かに、登場人物の設定は、当然ですが、わたしがしています。

 

話の展開も。

 

 

だからといって、ストーリーのすべてを、わたしにコントロールできているわけではありません。

 

 

小説を書き始めると、登場人物たちが、それぞれに生き生きと動き始めます。

 

そうなるとしめたもので、わたしは、ひたすら彼らを観察し、描写していきます。

 

 

そういうときが、一番楽しい。

 

 

 

作品を書いていて、途中で煮詰まってしまうとき。

 

 

そんな時は無理に書き進めず、人物設定にまで戻ります。

 

 

そして、今一度丁寧に設定し直します。

 

すると、スムーズに動いていくようになる。

 

そんな経験が何度もあります。

 

 

 清之助だけでなく、お由布もまた、素直に語ることができたなら、

この夫婦も仲のよい夫婦になれたはず。

 

でも、なれなかった。

 

それは何故なのか?

じっくり考えてみるのも、楽しいですね。