「終わりよければすべて」のタイ旅行 ⑦

さて、ここまで〝 終わりよければすべて」のタイ旅行 ″ を

お読みくださったみなさんは、

 

 

ごとうゆみこって、なんちゅう奴やねん

 

ゆみこさんみたいな人とは、旅行に行きたくないわ

 

 

と、もしかして思っていらっしゃいますか?

 

 

こう見えて、わたしは夫と国内旅行に行く際は、

宿の予約や交通手段の手配、観光ルートなど、

旅のスケジュール一切を取り仕切っております。

 

 

もちろん? たまに道は間違えますけど…

 

でも、誰か他にしてくれる人がいるとなると、

そのスケジューリング機能のスイッチ、切ってしまうんですね~

 

すると、今回のようなことに・・・

 

学び多き旅でございました、ホント。

 

 

 

ところで、みなさんは覚えていらっしゃいますか?

 

航空チケットの座席予約の際に、

 

 

画面のよく見える席は、どこですか?

 

 

と、時代錯誤の問い合わせの電話をかけたS子さんのことを。

 

坐骨神経痛を患いながらも、

タイでゴルフをしたいがために必死でやってきた、

あのS子さんのことを。

 

 

 

そうです。

 

彼女だって、中々のもんです。

 

というわけで、次回はS子さんのやっちゃったね話をお届けします。

 

 

(つづく)

 

 

「終わりよければすべて」のタイ旅行 ⑥

初めて見るタイの街並みは、思っていた以上に近代的で驚きました。

そして、その車の量にもまた驚かされました。

 

というわけで、道路は大変な渋滞。

いつも、そうなんだそうです。

 

経済発展に伴う車の増加に、道路の整備が追いついていないんですね。

 

 

 

 

さて、渋滞・渋滞の道のりを終えて、ようやくホテルに着きました。

 

見た感じ、なかなかイケてるホテルです。

 

 


 

 

もぉ~

Aさんたら~

わたしたちが一緒だからって、がんばっちゃってぇ~

 

 

なんて、A氏を茶化しながら、いそいそとホテルに入るわたしたちでした。

 

 

フロントでA氏、S子さんと順番にチェックインを済ませていきます。

 

 

 

 

昨年の7月には、S子さんから教えてもらったサイトを通して、航空チケットとホテルの予約を済ませていたわたしです。

 

プリントアウトしてあった予約票をカウンターに出します。

 

 

 

ん?

 

 

 

フロントマンが、怪訝な顔つき。

 

それを見ていたわたしも

 

 

 

ん?

 

 

 

と怪訝な顔つきになります。

 

 

一体、なにごと?

 

 

フロントマンが、おもむろに言いました。

 

 

これは、うちのホテルの予約票ではない。

 

 

 

はい?

今、なんておっしゃいました?

わたし、英語そんなに達者じゃないんです…

 

 

 

横で聞いていたA氏が言いました。

 

 

 

ゆみちゃんの予約票、ここのじゃないってよ

 

 

 

え~

そんな~

バカな~

まさかでしょ~

 

 

どうも、このホテルはチェーンホテルで、バンコク市内に3つもあるそう。

わたしが予約したのは、このチェーンの別の場所にあるホテルだそうです。

 

 

こちらのホテル、日本人御用達のようで、

わたしたちのすぐそばには、別の日本人のグループがいて、

このやりとりの一部始終を聞かれていました。

 

 

 

恥ずかしい!

恥ずかしい!!

恥ずかしすぎる~!!!

 

 

 

こんなとき、

 

え~!

 

と言って気絶できたら、どんなにいいでしょう。

 

 

どうしよう

 

 

と泣き崩れることができたら、どんなにかいいでしょう。

 

 

そうして気絶や泣いている間に、

みんながなんとかしてくれれたなら…

 

 

気が付いたら、すべてが解決していた

 

な~んてことだったら…

 

 

 

だが

しかし

But

 

 

 

ごとうゆみこ、58歳。

逃げるわけには参りません。

 

にしても・・・です 💦

 

 

 

なんだ、ホテルの名前、ちゃんと確認して予約しなかったのか

 

 

もはやA氏も、大人の対応を忘れたようです。

 

 

 

なんでぇ? ホテルの名前ちゃんと教えたよね

 

S子さんも、驚きを通り越して呆れまくっています。

 

 

 

いや

その

え~っと

○○ホテルのBangkokってのはちゃんと確認した

と、思う…

 

 

 

はぁ?

ホテルの名前の最初と最後しか確認しない人間なんて、初めてだ!

 

 

A氏の言葉に、うなだれるしかないわたし。

こんなふうにうなだれるのは、これで何度目だろう?

 

 

 

まさかバンコクに、このホテルのチェーンが3つもあるなんて知らなかったもんね

Aさんも教えといてくれればよかったのに

 

 

 

S子さん、わたしの憔悴ぶりに哀れを感じたのか、

慰める方針に変えたみたい。

 

 

と安心したとおもいきや

 

 

 

どうする?

一人で予約したホテルに泊まる?

ここから近いみたいだし。

 

フロントに置いてあるホテルのパンフレットを見ながら、

平然と言うS子さん。

 

 

 

お願い

わたしを見捨てないで!

初めてのタイで一人でホテルになんて泊まれない。

だいたい、ゴルフに行くのだっていちいち大変じゃ~ん!

 

 

 

ここで、わたしは腹をくくりました。

 

 

 

もし、このホテルに空いている部屋があるなら、

先に振り込んだ宿泊代が無駄になってもここに泊まるぞ。

 

 

 

A氏が話をしてくれた結果、

 

部屋は空いていること、

泊代はこちらの分に振り替えできること

ただし追加料金は発生することなどが判明。

追加料金は、日本円で4500円ほど。

 

 

払います!

払います!!

払いますとも!!!

 

 

 

フロントのカウンターを飛び越えんばかりの勢いで叫んだわたし。

 

 

はぁ~

生き返った~

 

 

しみじみ空気が体の隅々まで行き渡るのを感じました。

 

 

 

生きているって素晴らしい!!!

 

 

 

 

 

良かった

良かった

 

 

の言葉と共に、A氏さん、S子さん、それぞれに部屋へと去っていきました。

 

しんと静まり返ったフロントに一人残されたわたし。

 

フロントマンが小さな声で囁きました。

 

 

 

あなたの部屋はグレードアップされてますよ

 

 

なるほど

 

そうか

 

つまり、

私の部屋は超得早割用の部屋ではないということね。

 

 

通された部屋は、きれいな上にウォシュレット付き。

 


 

 

瓢箪から駒

 

いや、

 

禍を転じて福と為す

 

か。

 

 

かくして無事チェックインも済ませ、タイの初めての夜は更けていくのでした。

 

この夜、爆睡したことは言うまでもありません。

 

(つづく)

 

 

 

「終わりよければすべて」のタイ旅行 ⑤

坐骨神経痛で摺り足歩行しかできないA子さんは、まだ当分私たちの元にはやってきそうにありません。

 

 

オレがS子さんを待っているから、先に入国審査に進んでいいよ

 

 

と言うA氏の優しさに甘えて、入国審査の列に一人並んだわたしでした。

 

 

飛行機の中での嫌なことは忘れよう!

タイよ!

タイ!!

 

 

明日から始まる楽しい日々を思うと、心も踊ります。

 

さて、わたしの番が来ました。

 

パスポートと入国カードを係員に提示します。

 

 

ん?

 

 

係員が何か早口で言っている…

 

 

わからん

 

 

訳がわからないので、航空チケットを見せてみる。

 

後ろに並んでいたカップルらしき人たちが、

 

 

ほら、航空チケットも見せるんだよ

 

 

なんて、ささやき合っている。

 

 

いや、いや、たぶん見せなくてもいいはずなんだけどね…

 

 

 

No 

No

 

 

 

と、係員は、またもや早口で何やら言っている。

 

 

ニンゲントハ ヨソウモシテイナイコトヲ トツゼンイワレルト

アタマガ パニックヲオコシテシマイ 

リカイフノウニ オチイッテシマウ ドウブツナノダ

 

 

仕方がない。

奥の手を使おう。

 

わたしは、係員の目を見て、きっぱりとこう言いました。

 

 

 

I don’t   know

 

 

 

係員は、わたしの顔を見つめ、

やがて何かを諦めたように、「行け、行け」という仕草を見せました。

 

 

なんとか入国。

ん、もぐりこんだのか?

いや、これでいいのだ!

 

 

 

すると、わたしよりずっと後ろの方に並んでいたはずのA氏とS子さんが、

すでに入国審査を終えて、わたしを待っているではありませんか。

 

 

 

どうしたの~

わたしたち、すんなり通してもらえたよ~

 

とS子さん。

 

 

いや~

わたしも、何が何だかわからないのよ~

 

 

と、言いながら何気に見つめた彼女の手元・・・

 

 

 

わかった!!

 

どうしよう!!!

 

 

ええっ、なに、どうしたの?

 

 

焦るS子さん。

 

 

うん…

 

 

わたしはS子さんの手元を指さし、言いました。

 

 

出国カード

 

 

ん?

それがどうしたの?

 

 

わたし、入国審査で入国カードしか出さなかった。

 

 

え~!!

 

 

のけぞるS子さん。

 

 

なんでぇ~

勝手に切り取ってはダメって確か書いてあるよねぇ?

 

 

う~ん

いやぁ

入国するんだから、入国カードだけでいいと、なぜか思って、

ビリビリッと、切り…離し…ちゃった…

 

 

え~

信じらんな~い!

よくそれで通してもらえたよねぇ

だいたいさぁ、ゆみちゃん、最近しょっちゅう海外行ってるじゃない

 

 

・・・

う~ん

・・・

いつもはダンナと一緒だし

・・・

 

 

ニンゲントイウノハ トキドキ ジブンデモ リカイフノウナコトヲ

シテシマウ ドウブツナノダ

 

 

もう!

ごとうさんたら、ゆみちゃんを甘やかしすぎ

 

 

ダンナのこともよく知っているS子さんなのです。

 

 

ゆみちゃん

 

 

口調を改めて、S子さんは言いました。

 

 

今回の旅は、あなたの自立の旅にしなさいね

 

 

ふぁい…

 

 

うなだれるわたし。。。

返す言葉もありません。。。

 

 

 

まあ、なんとかなるぞ

 

 

大人の対応を見せるA氏の笑顔に救われます。

 

 

 

にしても…

 

 

入国だけして出国の予定がないかのようなわたしは、

ずいぶんと怪しい奴だ

 

 

と恥ずかしくもあり、

 

 

で、帰りは無事出国できるのか

 

 

と不安にもなり、

 

 

とりあえず入国はできたんだから楽しんで、

帰りのことは帰りに心配しよう

 

 

と、結局は開き直ったわたしなのでした。

 

 

 

やれやれとばかりに三人そろって荷物を受け取り、

タクシーに乗り込んで、いざホテルへ!

 

 

初めて見るタイの街並み。

想像以上に都会です。

 

 

 

明日から始まるゴルフ漬けの日々に心躍らせながら、車は一路ホテルへ。

 

まさか、このあと、この旅最大のピンチに見舞われるとは、誰が想像したでしょうか?

 

(つづく)