四季島の旅 ⑤

日光東照宮の拝観を終え、四季島に戻るとディナーです。

 

車内での特別なひとときということで、一応ドレスコードがあります。

 

 

少しばかりオシャレをしてDININGしきしまへ。

 

 

お料理には、それぞれに合ったおすすめのお酒がセレクトされていましたので、それらを順番にいただきました。

 

 

昨日の四季島最初のお食事であるランチと今夜のディナーは、「TRAIN SUITE  四季島」の総料理長岩崎均さんによるものでした。

 

 

疲れと満腹感と、列車の心地よい揺れで、この日の夜はおかげさまで熟睡できました。

 

 

 

連載小説『お由布』 その十

 十

 

 夏から秋と、季節は足早に過ぎ去っていき、木の葉が徐々に色づき始めた。

 ふとしたことから引いた夏風邪が元で、冬の間中お由布は寝たり起きたりの毎日を過ごした。時折り、清之助が心配そうな視線を寄越すが、それすらも煩わしいと感じてしまう。

 

 

 立冬。

 外では一足早い北風が木々を揺らし、ざわざわと悲しげな音をたてていた。枝にわずかばかり残っていた木の葉も、一枚残らず散り落ちた。

 お由布は、夕餉の支度を終え清之助を待っていたが、その日はいつになく帰りが遅かった。ようやく夜半になって帰ってきた清之助の顔は、行灯の明かりの暗さも手伝ってか、ひどくやつれて見えた。

「今日、店でボヤ騒ぎがあってな」

 重い口調で、ぼそりと言った。

「ボヤ騒ぎ」

「ああ。幸い気づくのが早くて大事には至らなかったが、あと少し遅れていたらと思うとぞっとする」

と、俯き加減で首を振る。

「店はもちろん、ここまで折角勤めてきた私の身だって、どうなっていたことか」

 清之助は、ふうっと大きなため息をついた。しかし、そんな清之助の様子とは裏腹に、お由布の心は高揚していた。

 清之助が、こんな弱気なところを見せたのは、これが初めてだった。ああ、やっぱり私たちは夫婦なのだと思った。こんな時こそ役に立たなければ。元気づけなければ。お由布は思った。

「大丈夫。何とかなりますって」

 清之助の手を握り締めて、努めて明るい声で言った。精一杯の励ましのつもりであった。そして、共に苦労する覚悟は出来ているという、これも精一杯の気持ちを込めたつもりだった。

 清之助が驚いたように目を見開いて、お由布をまじまじと見つめた。と、次の瞬間、その手を振りほどくと、呆れたように言った。

「まったく、お前は何も分かっちゃいないね」

 そして、大きく肩で息をついた。

「私の身に起きることは、お前にも関係のあることなんだよ。そこのところが、お前にはちっとも分かっちゃいない」

 清之助の言葉に、お由布の心が凍りついた。

 何も分かっていないのは、清之助の方ではないか。お由布は、ただじっと振りほどかれた手を見つめ続けていた。

    お由布の目には、あるいはその指の間から、はらはらと零れゆく砂が見えていたのかも知れない。

 

 翌朝早く、せわしげに清之助は店へと出かけていった。お由布の方を振り返りもしない。

 これまでの月日は、一体なんだったのか。いつでもどんなときでも口答えせず、少しでも不機嫌な色が見えたと感じると、即座に「申し訳ありまでんでした」と頭を下げる。その繰り返しの日々。しかし、繰り返しの中できっと何かが培われている、何かが積み重ねられていると信じていた。だからこそ……。

 だが結局、二人の間には何も育ってはいなかった。何一つ重ねては来られなかった。それを思い知った。あるのはただ、空疎な日々の積み重ねと、心の中に澱のように溜まった疲れだけだった。

 

 

 

お値打ちの判断基準

わたしは、物心ついた頃から、ずっと名古屋で育ちましたので、

自分は「名古屋人」という意識を持っています。

 

だからか、「お値打ち」という言葉にはめっぽう弱い。

 

 

 

さて、このところ、色々な旅行やイベントに参加しています。

自分で見つけることもあれば、お友だちに誘っていただくことも。

 

 

そこでよく出てくるキーワードが

 

 

お値打ち

 

 

です。

 

 

 

お値打ちだから、行かない?

 

 

これって、お値打ちだからいいんじゃない?

 

 

って。

 

 

ですが……

 

 

例えば、ゴルフにこんな風に誘っていただく場合があります。

 

 

すごく安くプレイできるところがあるんだけど、行かない?

 

 

確かに、聞いてみるとプレイ料金が、普段行くところの半額くらいなのです。

 

 

安い!!

 

 

しかし……

 

 

とても遠い。。。

 

 

遠いということは、それだけ交通費も時間もかかるということです。

 

そして、それに伴う労力も。

 

 

それらをトータルして考えると、これは本当にお値打ちなのか?

 

 

たとえば、スーパーに買い物に行って、ものすごいお買い得品があったとします。

 

 

けれど、それが生鮮品だった場合、使いきれず捨てる羽目に。。。

 

 

それって、本当にお値打ちなの?

 

 

バーゲンに行って、値打ちだからと買い過ぎて、逆に散財なんてことも……

 

 

要は、費用対効果って発想なんだけど。

 

 

 

お金は、

 

楽しく

 

賢く

 

気持ちよく

 

 

使わないとなぁ~

 

 

と、自戒を込めて書いてみました。